No.0006  1998/10/12
どもりについて
 4歳の息子ですが、4月から3年保育で幼稚園に入園しましたが、入園直後も言葉にちょっとした吃音が出ました。かかりつけの小児科にカゼでかかった時に先生に話したら、今までは母親と1対1で話していたのが、幼稚園では先生一人に大勢の子供が話すので、一度にきちんと先生に伝えようとする気持ちから吃音が出ることはありがちだということでした。そのうち自然に治ると言われ、本人には何も言わずに普通に接していれば良いと言われました。その時はまもなく自然に普通に戻ったのですが、その後も、運動会の練習が始まった頃とか、2学期が始まった頃とか、何か変化があると吃音が出てくるようです。

 今まではあまりひどくなく自然に治っていったのですが、最近もまた吃音が出始めて、今回はちょっと今までよりも大変そうです。話したいのに言葉がなかなか出てこないので、聞いているこちらがちょっとかわいそうになってきました。お話しが好きで色々な話をしてくれる子なので、たびたび吃音が出るとかわいそうになります。
 今回は10月初めにあったマラソン大会や11月にある発表会の練習のせいなのかなと思ったりしていますが、一応、幼稚園の先生にも相談してみようかなと思っています。
 今までのように親はあまり気にしないでいて良いのでしょうか?
 自然に治っていくものですか?
 何かストレスがあるとしたら、取り除いてあげるように何かしてあげた方が良いのでしょうか?

 以前にも同じ吃音の相談があり、その方も大変心配されていましたが、母親が心配して、かわいそうにと思うと益々、子供がお話し難くなることが多いようです。

 しゃべり始めたばかりの子供はだれでも、吃る時期があるのがほとんどで、ほっておけば非常に短時日の間にこのどもりは消失してしまいます。
 ところがこれが周囲の大人(主にお母さんですが)に意識されて訂正するように強要されると本人もこれを意識するようになり、吃りが定着してしまうのです。吃りの子供では言葉を話す為の器官や言葉の中枢である脳には全く異常がないことがわかっています。

 子供の言葉がどもっているのではないかと思うと(もっとはっきり言って)とか、( もう一度言って)、( ゆっくりはなしてごらん。そうじゃないの○○でしょ)、(もう一度いってごらん)などと親が注意したり干渉すると、子供の不安をかき立て、一層どもるようになり、話すこと自体にしりごみするようになって、どもりがますます定着してしまいます。
 親が心配のあまり、子供の言葉に神経質になって干渉するため、子供が緊張して本当の吃りになってしまうのだと考えられています。
 吃りは話し言葉のリズムの障害です。
 小児科医の先生のいうとおり、云いたいことが既に頭の中で用意されていて、実際の言葉がスムーズに出てこない状態を言います。

 5歳ごろまでのどもりは本人に対する治療は全く必要ありません。
 家族や普段、子供に接するひとが、子供の吃りを気にしないことが第一で、ほっておくことにつきます。

 そうはいっても気になってたまらないでしょうが、心から気にしないようにならないと、子供は敏感で親の緊張を表情や態度から読みとってしまいます。
 幼稚園に入るころから小学校入学前後になりますと子供の行動範囲、交際範囲が広がってきます。
 友達にからかわれたり、いじねられたりするような状況では症状がひどくなりがちです。
 いじめられたりしないようにぜひ担任の先生の協力をいただきたいところです。 それ以外のことではクラスでは基本的には特別扱いしないことが大切です。
 親ごころとして、何かしてあげたいと思う気持ち よくわかります。
 時として、静かに、慌てず、あせらず、見守ることは、子育てでは、一番難しいことだと思いますが、いつも、笑顔で見守ってあげてください。

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